妊活を始めて最初にする血液検査で、「TSHが一般より高いですね」と言われた方は結構いるのではないでしょうか。
私も実はTSHが高く、お薬(チラージン)を処方してもらっています。
さて、とはいえ「TSHってなんだかよく分からないホルモンだな」と思っているそこのあなた!
今回この記事で徹底解説いたします。
ちなみに筆者は大学でまさに生物学専攻で甲状腺の研究をし、大学卒業後は製薬会社の営業として働いていた経験があります。ある程度学術的な視点を踏まつつ、分かりやすく記載を心がけようと思います。
※医学的・専門的な話はあくまでも私個人の認識による記載となります。ご自身の症状や治療方針については医師とご相談ください。
甲状腺とは?
甲状腺刺激ホルモン(TSH)とは?
甲状腺刺激ホルモン(TSH:Thyroid Stimulating Hormone)は、甲状腺ホルモンの分泌を調節しているホルモンです。ややこしいですが、ホルモンがホルモンの分泌を調整しているのです。
甲状腺刺激ホルモンによって刺激され、分泌される甲状腺ホルモンは主にT4、T3と呼ばれるもので、
甲状腺ホルモン(T4、T3、FT4、FT3)とは?
甲状腺ホルモンとは、簡単にいえば「からだの新陳代謝」を調節しています。
体温、自律神経、脈拍などを正常に維持しており、人間の成長や発達にも大きく関係しています。
甲状腺ホルモンが不足すると、疲れやすい、寒がり、皮膚が乾燥する、日中に眠くなる、便秘、むくむ、体重増加…などが症状として現れる場合があります。
逆に甲状腺ホルモンが多すぎると、汗が多く出る、動悸がする、食べても痩せる、イライラする、疲れやすい…などが症状として現れます。
また、甲状腺ホルモンには2種類あり、T4とT3があります。
T4:サイロキシン
T3:トリヨードサイロニン
ちなみに、ヨウ素(Tyroid)が4つなのでT4、ヨウ素が3つなのでT3と記載されます。
多くの場合、妊活時の血液検査では血中で他のもの(タンパク質など)に結合していない、フリーのT3とフリーのT4を測定します。
そのため、FT3、FT4という記述が検査結果には書かれているかと思います。
FはFreeのFで、血中で自由に活動できるT3、T4を指しているということですね。
甲状腺ホルモン(T4、T3)とTSHの関係
甲状腺ホルモンであるT4、T3は、甲状腺刺激ホルモンによって合成・分泌を促進されますが、逆に、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を抑制する働きを持っています。
つまり、刺激されてホルモンが出るけど、この値以上に出ちゃったら刺激元のホルモンを抑制して、自分で過剰にホルモンが出ないようにする…という何ともうまいことやってくれているわけです。