要約はChatGPTに書いてもらい、ちょっと加筆修正していますが、間違っている部分はあるかもしれません。
大枠はたぶん書籍通りです。
要約
『確率思考の戦略論――USJでも実証された数学マーケティングの力』
著者:森岡毅・今西聖貴
概要
本書では、マーケティングを数学的・確率論的に分析し、成功確率を最大化する戦略の立て方を解説されていました。特に、USJのV字回復を例に、マーケティングの本質が説明されています。
従来のマーケティング手法と異なり、「効率性」よりも「戦略性」を重視し、ターゲットを狭めるのではなく、潜在的な顧客の「確率」を最大化する考え方を提唱しています。
主要なポイント
1. マーケティングは「確率を最大化するゲーム」
- 消費者の行動は確率で決まるため、「どの層が買うか」ではなく、「どうすれば購入確率が上がるか」に着目する。
- 単純な効率性(ROI最適化)ではなく、ブランドの成長を最大化する視点が重要。
2. ターゲティングの誤解
- ターゲットを狭めることは逆効果になる場合がある。
- 重要なのは「特定の層だけを狙う」のではなく、「確率が高い層の購入可能性を引き上げる」こと。
- USJの例では「関西のヤングアダルト女性」がコア層だったが、それを狙い撃ちしたのではなく、彼女たちの購買確率を高める施策を展開し、その結果、他の層にも波及した。
3. 需要の構造を数式化する
マーケティングの基本構造を、以下の3つの要素に分解する:
- 認知率(どれだけの人が知っているか)
- 選好確率(どれだけの人が行きたいと思うか)
- 実際の購入確率(どれだけの人が行動を起こすか)
これらを高めることで、最終的な売上が伸びる。
4. 「確率思考」によるマーケティング施策
- ブランド資産の強化: 「ハリーポッターエリア」開業によって、来場確率を大幅に向上。
- 認知と興味の増加: TVCM・SNSなどを活用し、USJの魅力を最大限に伝えた。
- 価格戦略の調整: 「価格を下げる」のではなく、「価格以上の価値を感じさせる」ことで、高価格帯チケットの販売も成功。
5. 「確率思考」はマーケティングだけでなく経営にも活用できる
- ビジネスの成否も、確率の組み合わせで決まる。
- 「勝つ確率が高い戦略」を選び、適切なリソース配分を行うことが重要。
- USJの経営改革では、データを基に確率を最大化する意思決定を行った。
結論:マーケティングにおいて重要なのは、効率性ではなく確率最大化
- ROI最適化(効率性)を追求するだけでは市場を広げられない。
- 「特定のターゲットを狙う」のではなく、「より多くの人の購入確率を高める」ことが本質。
- 確率の視点を持ち、ブランド価値・認知・選好確率を高める施策を行うことが成功への鍵。
感想
森岡さんらしい書きっぷりなので、さくさくと読めてしまいます。同じことを違う切り口で何度も説明する部分があるので、結構飛ばし読みもできちゃいました。
ターゲティングの効率性について明確に、論理的に数式を用いて否定されていたのが印象的でした。
実際、私も広告代理店や事業会社でマーケティングの仕事に携わってみて、ターゲティングがもたらすデメリットについてなんとなく感じることがあったのですが、うまく言語化も証明もできなかったので、ここに関してはとても共感、というか納得させられました。
広告代理店だと、新規のクライアントさんに「ターゲティングが定まっていないから方針がブレて効率が悪いです!調査してペルソナ作って、ちゃんとしたターゲティングができるようにしましょう!」なんて提案してウン百万の見積もりを作るのはもはや定石だったりするのですが、そんな逆に効率の悪い提案はこの本を読んだクライアント担当者にはできなくなりそうですね。
ラグジュアリー系の外資系クライアントのお姉さんとか(嫌な思い出がありすぎて敢えてのペルソナ化)に、「森岡さんはターゲティングは効率が悪いとおっしゃってますが、御社はどう考えていますか?」とか言われて地獄絵図と化すのが容易に想像できます。
広告代理店、辞めてよかった。←
という訳で、ターゲティングは非効率!というのが証明されたので、日本のマーケティング界隈も少しずつ変わっていくのかもしれません。
また、森岡さんは思っているよりもイーロン・マスクのような飛び抜けた人だなぁと感じました。
一般人の感覚を持った常識人、という勝手な印象だったのですが、マーケティング・戦略・ブランド理解などについては時間も手間も一切惜しまず、究極を極める精神力がある方だなと。
実際にショートスリーパーらしく、4時間あればOKだそうです。
「人間いつかは永遠に眠るので、今は眠らなくたっていいんです!」とYouTubeで言っていたのが飛び抜けた発想すぎてもはや面白かったです。
一旦おわり